「 人生 って、こんなものでしょう?」
彼女は そう言って
プールの中へ 飛び込んだ。
頭が可笑しい人だと思った。
真夜中に
仲良くもない 、 話したこともない
僕を呼び出して
急にプールへ飛び込むなんて
彼女は、少し変わった人で有名だった
いつも学校では一人だったけれど
独りではなかった。
孤独なんて
知らないような顔をしていた。
彼女曰く、僕は「ロボットみたい」。
誰かを敵に回すことを怖がり、
好きでもない人間に気に入られようと
愛想を振りまいている姿が
そう見える、と
いつ切れるかわからない
糸に必死に掴まって
それを 、誰かに切られても
切られてないようなフリをする。
それが、私は気に入らない。
嘘ばっかりで固めたその仮面
そろそろ外そうよ
私は切れない糸を掴んで
ここで待っているから。
それは、ある意味 僕にとって
新しい挑戦状だった。
他人が僕のことを
どういう風に思っているかが
不安だった。知りたかった。
だけど 、皆は
その本当の応えを教えてはくれない。
その度に
愛されたくて、自分を売って
どうしようもなく溢れ出してくる孤独を
埋めるために、お互いを利用している。
その度、僕は
都合のいい人間と認識され
嫌なことも 、段々断れなくなっていた。
毎日、毎日、僕の背中は、
重みを増していった。
それを彼女は、
何故だかよく知っていた。
__ 「終」 __
黎明(小説垢)・2022-08-30 #小説 #孤独 #ひとりぼっち #長文 #苦しみ #ロボット #仮面を被った臆病者 #仮面 #愛 #哀 #偽り #依存 #共依存 #虚しいだけ #返品不可の明日 #重み #独り言 #不透明な僕ら #縁 #解釈自由 #メイト🎀 #感想聞かせてください #花束を君に #結び目
